日本食を一躍世界に広める一つのきっかけとなったのは、昔から人々が受け継いできた魚の優れた保存方法が紹介されたからです。ここで紹介する鮒寿司は滋賀県の琵琶湖周辺で奈良時代より行われてきた魚の保存方法の一つです。春に琵琶湖で獲れた鮒を塩漬けにし、その後さらに飯に漬けて乳酸発酵させることにより長期の保存を可能にするものです。今でも伝統的な方法で作られ、長いものでは2−3年程度 飯漬けを行うものもあります。
昨今、手間のかかる作業であることや、材料として最も適する種類のフナであるニゴロブナの減少などによって価格が高騰し高価な食料とされています。
この伝統的な食事にはどんなワインを合わせれば良いか不思議に思う方もいると思いますが、”ゼルディ ベナコ・ブレッシアーノロッソIGT”は鮒寿司と相性の良い赤ワインの一つと言えるでしょう。このワインの原料であるレボと言うぶどうは、まろやかな口触りで、口に含むとリフレッシュしてくれるような感覚があります。マルヅェミーノとメルローの掛け合わせから生まれたレボは、独特な臭いを持つ鮒寿司とも相性が良く、木樽熟成による”ゼルディ”のスパイス感もこの食べ合わせをより興味深いものにしています。